Daniel Norgren(ダニエル・ノルグレン)。
スウェーデン北部の深い森の中に住むシンガーソングライター。
汚れた帽子を被り、質素なスニーカーを履き、オシャレやトレンドとは無縁のルックス。
見た目のそれは片田舎の農夫といった風情で、さらに身長が2メートルある大男。
およそ音楽人とは思えない風貌の彼ですが、この森を拠点に、曲を作り音楽活動を行うまさに孤高のミュージシャン。
そして、その独特のスタンスゆえのインディーズでの活動は、すでに20年以上に及びます。
自然と共生しながら作られた彼の音楽は強く優しくそしてシンプルで、存在感あるもの。
森で淡々と紡がれる彼の音楽を辿ります。
Forest dwellers
Daniel Norgren(ダニエル・ノルグレン)1983年生まれ。
スウェーデン南西部のボロース郊外で育ちました。
ミュージシャンである父親の影響で幼い頃からギターとピアノを弾き始め、戦前のブルースやカントリー、フォーク、サザンソウルなどに影響を受けるように。
最初に聴いたバンドはおそらくローリング・ストーンズだったと思います。
父は1960年代と1970年代にそこそこ成功した地元のロックンロールバンドで演奏していました。
最初は彼らのようなサウンドを目指していました。」
ダニエル・ノルグレン本人談:bruzzより引用
こうしたアメリカーナの濾過が彼のサウンドの礎となりました。
さらにNeil Young(ニール・ヤング)、Tom Waits(トム・ウェイツ)、Van Morrison(ヴァン・モリソン)、John Lennon(ジョン・レノン)、The Tallest Man On Earth (ザ・トーレスト・マン・オン・アース)、といったアーティストたちの音楽に触れることで創造性は膨らんでいきました。
そして20代前半の頃、ノルグレンはアナログでホーム・レコーディングした楽曲を発表するために自らのレーベル「Superpuma Records」を立ち上げました。
この自身のインディーズ・レーベルから2006年にリリースされたアルバムが『Kerosene Dreams』。
そしてここから流行や大手レーベルとは無縁の独自の道が始まりました。
Kerosene Dreams (2006)

- Ten Miles Through A Yellow Forest (Instrumental)
- Crows And Nightflowers
- Grove
- Tom Nelson
- Stallion Theme (Instrumental)
- Who’s Got To Go
- Miserable Dance
- Memories And Bones
- Schlitzie’s Theme (Instrumental)
- Albert And Sara Lou
- Moon
- Pages Where Nothing Reads
- Windmill (Instrumental)
- The Lonesome Sparrow
- Carnival Haze
アルバムは前述のように森の中にある自宅兼スタジオで録音されたもの。
トラックを通して聴くと分かるように途中で聴こえる奇抜な音や耳慣れない音色は、自作した楽器を使用したもので、独創性に溢れた実験的なサウンドといえます。
いかにも北欧スウェーデンといったフォーク調のナンバーからブルージーなもの、そしてクルト・ワイルを彷彿させるノワール調の楽曲まで、ノルグレンの幅広いジャンルへの造詣がうかがえます。
そして特徴的なのはそのヴォーカル。
アルコールで潰れたような濁声と切り裂くようなシャウト。彼の存在感を際立たせる歌声です。
自作楽器などによる創造性溢れた曲調は、Tom Waits(トム・ウェイツ)やChuck E. Weiss(チャック・E・ワイス)、Captain Beefheart(キャプテン・ビーフハート)を彷彿とさせる異端のサウンド。
一聴の価値ありです。
一筋縄ではいかない「森人(もりびと)」が世に躍り出た記念すべき1stアルバムです。
Message from the forest
2008年にリリースされた2枚目のアルバムが『Outskirt』。
Outskirt (2008)

- Who’s Knocking
- Let Me Go
- The Comedian
- Prettiest World
- Purse
- Fivestringed Crooked Red Clara
- Poor Heart’s Avenue
- Rattlesnake
- Mean Old Devil Got On
- Before I Go
- Rope
- No One Wants You As You Are
- Long Way Till Tomorrow
- Saddle My Heart
- I Could Even Grow A Moustache For You
前作で印象的だった奇抜でオルタナティブなサウンドは影を潜めて、オーソドックスな楽曲が揃えられたアルバムです。
とは言いつつも、やはり4chのカセット・ポータブルスタジオによるアナログの自宅録音。
洗練されたサウンドを望める恵まれた環境ではありませんが、逆にアナログならではのザラついた質感と加工されていない“生”の音がアルバムを決定付けています。
ノルグレンならではのシンプルで無骨なエネルギーを感じさせるアルバムです。
冒頭1.「Who’s Knocking」ビートのきいた粗削りなロックナンバーから、ノルグレンの濁声とハープが印象的なブルージーなナンバー2.「Let Me Go」へ。
牧歌的なワルツ調のナンバー4.「Prettiest World」、シンプルな楽器編成で録音された美しい5.「Purse」など彼の音楽のルーツ的な要素が詰まったアルバムです。
この『Outskirt』はコアなブルースファンの支持を集め、スウェーデン国外でも注目されるように。
そして初のヨーロッパツアーのきっかけとなりました。
ノルグレンの初期の名盤であり、彼の名を世に知らしめることになった1枚です。
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Horrifying Deatheating Bloodspider (2010)

- Big Black Bull
- Lovedog
- Nr.1 Nr.2 Nr.3
- Highbird
- Blind
- Crooked John
- Get The Moon Up
- Mean Old Devil Got On II
- Lowbird
- Stuck In The Bones
- Perfect Jazz
- Though It Aches
そして2010年にリリースされた3枚目のアルバムが『Horrifying Deatheating Bloodspider』。
1stアルバムのアバンギャルド性と2ndアルバムのオーソドックスな一面を兼ね合わせたようなアルバムです。
荒々しいパーカッション(もしくはドラム缶?)だけのリズムとノルグレンのファルセットのシャウトと、今までとは異なった趣向のナンバー1.「Big Black Bull」で始まる本作。
スロー・ダークな曲調の3.「Nr.1 Nr.2 Nr.3」と、続く4.「Highbird」では彼本来の自然なヴォーカルを聴くことができます。
シンプルなブルース・ナンバー7.「Get The Moon Up」から8.「Mean Old Devil Got On II」では再び力強い濁声で。
森の空気がそうさせるのか、乾いた楽器のリアルな音感と、森と呼応しているような表現力豊かなヴォーカルに惹きつけられる佳曲揃いのアルバムです。
着実に一歩ずつ歩を進めるノルグレンの音楽活動は、徐々に音楽シーンに認知されるようになり、本アルバムはスウェーデン年間最優秀シンガーソングライター賞にノミネートされました。
敢えてインディーズで自身の音楽を追究するノルグレンの、確固たる信念と創造性が認知されたアルバムです。
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Do It Yourself not Do It Ourselves
翌2011年にリリースされたのが6曲入りEP『Black Vultures』。
Black Vultures (2011)

- Black Vultures
- Moonshine Got Me
- Loitering
- Worthless
- Going Home Finally
- Cosypants
タイトル曲1.「Black Vultures」はノルグレンらしい乾いた粗削りなカントリー・ロック。
3.「Loitering」は虫の鳴き声や生活音をベースに作られたアンビエント的なナンバーで、森の風景を想起させます。
6.「Cosypants」では旧式のリズムマシーンを使ったTVゲームのようなサウンドで、今までにない趣向のナンバー。ミニアルバムならではの実験的ともいえる内容で、示唆に富んだアルバムです.
その中でも、収録曲の5.「Going Home Finally」は、イギリスのBBCラジオでMark Lamarr(マーク・ラマー)が司会を務める番組「God’s Jukebox」ために録音され、放送されたことをきっかけに注目を集めました。
スウェーデン国外でも徐々にその名を知られ始めたノルグレン、ライヴ活動の範囲も拡大していきます。
2009年以来、パラディソ、ロスキルド・フェスティバル、オスロのロックフェラー、ボルレンゲのピース&ラブなど、ヨーロッパ最大級のフェスティバルや会場で演奏。
そのノルグレンのライヴ。スタジオでの演奏も含めた彼のライブはシンプルなものでした。
それはというのも基本的にギター、ドラム、ピアノ、オルガン、アコーディオンと多種の楽器を演奏できるノルグレン。
アルバム録音の際もほとんど全ての楽器を一人で演奏、オーバーダビングによって制作してきました。
できることは自分でするという彼のスタンスは、音楽を始めた当初のインディーズ精神そのもの。
ライブでもギターとドラムを同時にこなし、まさに大道芸的なパフォーマンスを見せます。
ステージでは、通常ドラムとギターを担当するノルグレンと、長年の相棒であるAnders Grahn(アンダース・グラン):ベースとのデュオで演奏。
シンプルで斬新なこの編成によって作られる音は、他に類を見ない独特のサウンドをもたらしています。
さらにライブによっては、Andreas Filipsson(アンドレアス・フィリップソン)が自作のオルガンでデュオの伴奏を務めることも。
基本的に必要最小限のメンバーで行われるノルグレンのライヴ。
しかし、そのストイックで力強いサウンドと比類ない存在感は観る者を魅了します。
そしてノルグレンの周りに次第に集い、演奏に加わるミュージシャン達。
彼らもまたノルグレン独自の音楽や信念、その活動スタイルに魅了され“森”に集まるのかもしれません。
quiet progress
2013年にリリースされたアルバムが『Buck』。より実験的な方向を模索したアルバムです。
Buck (2013)

- Go Play With Him
- Howling Around My Happy Home
- Once A Queen
- Driving Ghosts Out Of Black Buck With A Weld
- Putting My Tomorrows Behind
- Whatever Turns You On
- Black Vultures
- Music Tape
- I’m A Welder
- Tar
- Moonshine Got Me
- My Hobo Is Rambling
- Don’t Touch It!
アルバムのコンセプトとなったのはノルグレンの愛車でした。
ノルグレンは、作家Charles Bukowski(チャールズ・ブコウスキー)にちなんでバック(ブコウスキーの愛称BukまたはBuck)と名付けたボルボを持っており、夜、自宅周辺の森をその車でドライブするのが趣味でした。
そうするとしばらくの間、 行き詰まり感を忘れさせてくれるんだ。」
彼は車内や車の周りの音を録音し、周囲の景色を写真に撮り気分転換を図っていました。
このドライブがアルバムのきっかけとなります。
今までの森の風景に根ざした自らの楽曲にさらにリアルな質感を加えるために、このフィールドレコーディングやスタジオでの音加工を取り入れました。
アルバムは1.「Go Play With HimHow」愛車のエンジン音のサウンドスケープで始まります。
続いてブルース調の2.「Howling Around My Happy Home」でこのアルバムのコンセプトが示されます。
ノルグレンらしいソウルフルなバラード5.「Putting My Tomorrows Behind」。
ちなみに今回のアルバムもノルグレンの自宅の4chのカセット・ポータブルスタジオ「Porta」で録られたものですが、
唯一、6.「Whatever Turns You On」はスタジオ録音されたもの。
この曲は、Algorythm Sound Studio(アルゴリズム・サウンド・スタジオ)でレコーディングと撮影が行われ、YouTubeに公開されるとすぐにヒットしました。
ノルグレンの感情豊かで、荒々しく、そして味わい深い歌声も健在で、12.「My Hobo Is Rambling」ではオルガンとシンセでゴスペル風のサウンドを聴かせてくれます。
また、4.「Driving Ghosts Out Of Black Buck With A Weld」、10.「Tar」そしてラストの13.「Don’t Touch It!」は冒頭のナンバーと同じように環境音を変換したサウンドスケープを編集したもの。
これにはノルグレンが新しく購入したフォステクスのポータブル・スタジオ・レコーダーが活用されており、アルバムを構築する実験的なサウンドを実現しています。
前作までの粗削りでブルージーな曲調から、落ち着いた印象のフォークサウンドの楽曲が中心になった内容で独創性が増した本アルバム。
次作への布石となった転換期前のアルバムです。
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Alabursy (2015)

- The Summer Chafer
- Everything You Know Melts Away Like Snow
- Why May I Not Go Out And Climb The Trees?
- If You Look At The Picture Too Long
- Lonely Girl
- The Light Of Dawn
- Like There Was A Door
- The Fox Chase
- As Long As We Last
- Alabursy
2015年にリリースされたアルバム『Alabursy』。
これまでのアルバムとは異なった方向性で、アンビエント・ミュージックの要素が強調されたサウンドになっています。
静かなプロローグとなる1.「The Summer Chafer」に続き、アコーディオンで歌われる2.「Everything You Know Melts Away Like Snow」へと。
ギター、オルガン、アコーディオンそしてシンセといったシンプルな構成で、初期のブルージーなナンバーとは対照的な楽曲が続いていきます。
そして何より特徴的なのは4.「If You Look At The Picture Too Long」で魅せる、そのダニエルの歌唱の変化。聴き馴染んでいた力強く荒々しい歌声が、本作では高音で響き渡るヴォーカルに。
以前も、時折垣間見せていたファルセットや高音のシャウトですが、明らかにその歌唱の音域や質が深まり、彼の表現力の幅が広がりました。
大きな転換をみせた『Alabursy』。
アルバムは、生死と孤独に彩られた失われた風景を巡る旅というコンセプトで制作されたといわれています。このことについてノルグレンは
数年後このアルバムが脚光を浴びることになります。
Green Stone (2015)

- The Green Stone
- Are We Running Out Of Love?
- I Waited For You
- My Rock Is Crumbling
- Beyond Words
- He Was Simply Made That Way
- Softly Falling Snow
- Everlasting Friend
- Your Love
『Alabursy』のリリースからわずか半年後にリリースされたアルバムが『Green Stone』。
アルバムは轟く雷雨の長時間のフィールドレコーディング1.「The Green Stone」から始まります。
アルバムタイトル『Green Stone』について
ピアノとベースのみのシンプルなサウンドに、ギターやシンセが加わるといった程度のアレンジで、静かで飾り気のない楽曲が揃い、落ち着いた独特の浮遊感を持ったアルバムです。
4.「My rock is crumbling」ではノルグレンの生死感が端的に美しく歌われており、彼の楽曲の中でも傑作といわれています。
後半7.「Softly falling snow」8.「Everlasting friend」とゴスペル、讃美歌のようなナンバーが続き静寂の森の風景と共に、祈りにも似た心象が描かれています。
前作『Alabursy』の延長線上にあるアルバム。
ノルグレンが故郷と呼ぶ場所や、彼が大事に思う人々、愛する人々への思い込められた、非常にパーソナルな作品といわれており、ノルグレンの音楽を語る上で外せない1枚です。
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2部作ともいえる『Alabursy』と『Green Stone』は音楽プレスとリスナーの双方から絶賛。
アルバムリリース後、ヨーロッパ各地でツアーを、そして2016年には初のアメリカ公演を行いました。
ヨーロッパで既に人気を集めていたノルグレンはアメリカでの注目度も高く、北西部ポートランドのピッカソン・フェスティバルでの公演は好評を博し、その名をアメリカでも知られることになりました。
New horizons
2019年、アルバム『Wooh Dang』をリリース。
これがノルグレンにとって初めて国際的に広く流通する作品となりました。
Wooh Dang (2019)

- Blue Sky Moon
- The Flow
- Dandelion Time
- The Power
- Rolling Rolling Rolling
- So Glad
- Let Love Run The Game
- The Day That´s Just Begun
- When I Hold You In My Arms
- Wooh Dang
短期間で複数のアルバムを制作した2015年以来、期間をおいてのアルバムとなった『Wooh Dang』。
各音楽方面でノルグレンの傑作と評されました。
前作、前々作のアンビエントな要素も残しつつ、再びルーツであるアメリカーナに回帰したアルバムです。
冒頭1.「Blue Sky Moon」は鳥のさえずりが流れ森の風景を想起させるアンビエントなナンバー。
その余韻を残しながら2.「The Flow」へ。
ハスキーなノルグレンのヴォーカルが柔らかくも印象的な曲です。
今回も自宅でのローファイな録音制作。
そのため、マイクの距離感やアナログ特有の音の粗さが、彼の声の生々しさや空気感を強調し、普段聴くスタジオ音源とは一味違う響きをもたらしています。
自身のヴォーカルを生かした実験的かつ効果的な、興味深い1曲です。
3.「Dandelion Time」は1stアルバムを思い出させるブルージーなグルーヴナンバー。
個性的な古くからのメンバー達との息の合った演奏は、アルバムのアクセントに。
Erik Berntsson (エリック・ベルントソン):Drums、
Andreas Filipsson (アンダース・フィリップソン):Guitar、
Anders Rane(アンダース・レーン): Organ
5.「Rolling, Rolling, Rolling」はバックコーラスを従えたアメリカン・ソウルなテイストで、今までにない意外なナンバー。
7.「Let Love Run the Game」。
グランジギターに、バレルハウス・ピアノが加わった曲で、古びた自宅農家で演奏、録音されたそのままの田舎風のサウンドです。素朴で力強いノルグレンのルーツ的ナンバー。
今回アルバムは、ロックと内省が交互に現れるモチーフで制作されています。
全てがセルフ・プロデュースのノルグレン。
彼は自宅録音という小規模なスタジオ環境だからこそできる、様々なレベルの音響実験を重ねることで、楽曲の質を向上させてきました。
『Wooh Dang』はその試行錯誤の後の一種の到達点ともいえるアルバム。
インディーズデビューから10数年。
洗練され、成熟したノルグレン・サウンドの名盤です。
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Tough times never last, but tough people do
2022年、ノルグレンの長年の地道な音楽活動が思わぬ形で再評価されることになりました。
パオロ・コグネッティ原作の映画『 Le Otto Montagne(エイト・マウンテンズ)』(邦題:帰れない山)のサウンドトラックを担当することに。
映画はイタリア・アルプスの息を呑むような絶景を背景に、友情、愛、そして自己発見の物語を描いたもので、ノルグレンの音楽は、物語に雰囲気と感情豊かな背景を与えました。

そしてこの映画は国際サウンド&フィルム音楽賞の「最優秀音楽使用賞」を受賞、ノルグレンの音楽は国際的な称賛を集めました。
さらにイタリアで開催された第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀作品賞、最優秀脚色賞、最優秀撮影賞などを受賞。
この映画の世界的な成功により、彼の音楽はシネマ、映像メディアなど各方面にも認知されることになりました。
サウンドトラックは2015年にリリースされたアルバム『Alabursy』からの楽曲を中心に制作され、森の風景を連想させる彼の音楽と、フィルムで映し出される山の風景が見事にコラージュしたものとなっています。
監督はFelix Van Groeningen(フェリックス・ヴァン・グローニンゲン)と、Charlotte Vandermeersch(シャーロット・ヴァンデルメールシュ)の二人。
この映画音楽をノルグレンに依頼した理由を
「彼は、ある意味スウェーデン版ブルーノといえるかもしれません。
ダニエル・ノルグレンへ依頼することが、最初で、そして唯一の選択でした。」
※ブルーノは山で暮らす映画の主人公の一人
cetera.co.jp/theeightmountainsより引用
それが映像と共に視覚で示され、彼の音楽が改めて評価されました。
Live (2021)

- Everything You Know Melts Away Like Snow
- Howling Around My Happy Home
- People Are Good
- Music Tape
- So Glad
- Moonshine Got Me
- Black Vultures
- The Flow
- Like There Was A Door
『 Le Otto Montagne(エイト・マウンテンズ)』公開と時期を前後してリリースされたのが『Live』。
2020年2月に行われたツアー「Fab Four Feb Tour」からの録音で、ノルグレンの過去4枚のアルバムからの楽曲を中心としたライヴアルバムです。
『Wooh Dang』で参加したお馴染みのメンバーがツアーをサポート。
息の合った演奏を聴くことができます。
少人数編成でありながら圧倒的で力強いステージ。
そしてノルグレンの、聴衆を惹きつける存在感あるヴォーカル。
長年、森で紡がれた音楽が街に放たれたアルバム。時代や空間を超えた普遍的な力を感じます。
ご視聴はこちら↓

Always has been, and always will be
人里離れた自然の中を拠点に音楽活動を続けるダニエル・ノルグレン。
その独特のスタンスによる活動は20年に及びます。
彼の誠実で温かみのある言葉と、シンプルで力強い音楽は静かに進化を遂げてきました。
そしてその淡々と積み重ねられた研鑽は森から出て陽の目を見るように。
しかし、彼は森に帰り森で暮らします。いつものように。
周りの状況がどうなろうとも。
それはこれまでのように。そしてこれからもずっと。

