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「私たちはカエル人間です」やっぱり。

カエル人間 エッセイ

それは偶々、期せずして出会った亡霊 マーヴィン・ポンティアック(MARVIN PONTIAC)。
正体不明、摩訶不思議。さらに戯言、意味不明。

彼曰く、「We Are the Frog People」(私たちはカエル人間です)。

なるほど。口車に乗ってみた。

さあ私もカエル人間。

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蛙鳴蝉噪 あめいせんそう

蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)。

蛙(カエル)や蝉(セミ)がやかましく鳴き騒ぐように、ただ騒ぐだけで内容は何もないこと。
つまり、くだらない議論や下手な文章のたとえ。

ワシやないかい。
いやいや今はカエル人間、ゲロゲロ。

とりあえずカエルになってみる。
そう、気持ちを切り替える。

しゃがんでカエル座りで部屋を徘徊。
思った通りひっくり返る。
天井見上げてしょげかえる。
ああ情けなやと日頃の不摂生を振り返る。

寝転がっていても埒が明かぬ。
まあここは良しとして、初期設定に立ち返る。

今度はカエル座りで鳴いてみた。
ゲロゲロ、ゲコゲコ、クワックワックワッ。

慣れぬ発声でむせかえる。
シラケた部屋は静まり返る。

しかしこれは都合がいい。
困った時はなんでもかんでも返事はゲロゲロ。

ああコイツは阿保だと思わせて、舌を出して逃げ帰る。
面倒事はまっぴらごめん、カエルの面子に差し仕える。

サッサと帰る。
飛んで帰る。
試しに飛んだらまたひっくり返る。

虚空を見つめて呆れ返る。

寝転がっていても埒が明かぬ。
次の設定に乗り換える。

「井の中の蛙」。

ワシやないかい。

いやいや、池じゃ沼じゃ井戸じゃ水。
カエル人間ならば、かえる泳ぎぐらい披露できねば見苦しい。

なれど無念。我が家には泳ぐどころか猫の額ほどの風呂しか有らぬ。
どうしたもんかと頭を抱える。
いや待て、まずは水に浸かって「心」を知るべし。

しかし水はちと冷た過ぎ。
ならば湯船を湯に張り替える。

さて、頭まで潜って水を掻く。
やれ、面を上げて水を掻く。

何たる不覚。水かきが無い。

落胆す。
現状では埒が明かず。
人間諦めが肝心。
これ以上は差し控える。

待て待て、人間?
今はカエルの考察中。

ふと我に返る。

なんだこれは滑稽な。
結局する事もなく、昼間っから風呂に浸かる単なるご陽気者。
考察などと荒唐無稽。
解は得たのか。

しんどいしんどい、もうええやん。
何が悪いねんとふんぞりかえる。

所詮人間なんざぁそんなもの。
もっともらしい事を言うくせに、随分間抜けな事を繰り返す。
狭い池で一喜一憂しておるようなもの。

We Are the Frog People」(私たちはカエル人間です)やっぱり。

それ以上でも以下でもなく。
お気兼ねなく。

心晴れ晴れ生き返る。
昼風呂にて。

そして今宵、ひとりカエル踊り。

マーヴィン・ポンティアックの「蛙音頭」に合わせて。

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