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Echo & the Bunnymen

Echo & the Bunnymen 音楽

Echo & the Bunnymen(エコー&ザ·バニーメン)
1978年にイギリスのリヴァプールで結成。
ニュー・ウェーブ、ポストパンクのバンドとして知られており、そのサウンドはネオ・サイケデリア」と呼ばれました。

パンク終焉後、それに代わる新たなジャンル、ムーブメントが巻き起こり、様々なバンドが群雄割拠。
U2やシンプル・マインズ、ジョイ・ディヴィジョン、スージー&ザバンシーズ、ザ・スミスなどが挙げられ、各々個性的なスタイル、音楽性を打ち出した時代でした。

Echo & the Bunnymen(エコー&ザ·バニーメン)も、このニュー・ウェーブ・ムーブメントを代表するバンドでした。

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Echo & the Bunnymen

バンドの中心的人物である Ian McCulloch(イアン・マッカロク 1959年5月5日 – )は、イギリス・リヴァプール出身。

1977年にジュリアン・コープピート・ワイリーらと「ザ・クルーシャル・スリー」というバンドを結成。
しかしその活動は長くは続かず、翌年9月に解散。

イアンはバニーメンを、ジュリアン・コープは「ティアドロップ・エクスプローズ」を結成することになります。

こうして、1978年10月、Echo & the Bunnymen(エコー&ザ·バニーメン)はIan McCulloch(イアン・マッカロク Vo.)Will Sergeant(ウィル・サージェント Gu.)Les Pattinson(レス・パティンソン Ba.)によって結成。

当初ドラマー不在の為、Echo(エコー)社製のドラムマシンを使用。
その名にちなんで、バンド名をEcho & the Bunnymen(エコー&ザ·バニーメン)と称しました。

1979年に地元のインディーレーベルからシングルを発表した後、1980年に Pete de Freitas(ピート・デ・フレイタス)が「エコー」に代わってドラマーとして参加。こうしてラインナップが揃いました。

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Solitary Neo-Psychedelic

メンバーが揃ったエコー&ザ·バニーメン。ワーナー系列のレーベル、コロヴァと契約、翌1980年7月に1stアルバム『CROCODILES』(クロコダイルズ)をリリースします。

 CROCODILES (1980)

  1. Going Up
  2. Stars Are Stars
  3. Pride
  4. Monkeys
  5. Crocodiles
  6. Rescue
  7. Villiers Terrace
  8. Pictures On My Wall
  9. All That Jazz
  10. Happy Death Men

エコー&ザ·バニーメンの1stアルバムとなる『CROCODILES』
ダークトーンな仕上がりで、いかにもUKロックらしい陰影を帯びています。

悲しみ、恐怖、苦悩、絶望などの言葉が散りばめられた歌詞とタイトで激しいサウンド。
この相反する両者が共存する彼等のサウンドは、ネオ・サイケデリックと言われ、イギリス・アルバムチャートでも第17位にランクイン。高い評価を得ました。

幽玄的な導入からフェイドインしてくるソリッドな1.Going Upはこのアルバムを象徴するナンバー。
ヘヴィでタイトなパンク回帰のような3.Pride。

パンクをはじめ60~70年代ロックの流れを汲んだサウンドを聴くことができます。

vo.のイアンは影響を受けたミュージシャン、アーティストにドアーズやヴェルヴェット・アンダーグラウンド、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなどを挙げており、10.Happy Death Menなど、ヴォーカルやソングライティングから窺い知ることができます。

Heaven Up Here (1981)

  1. Show of Strength
  2. With A Hip
  3. Over the Wall
  4. It was a Pleasure
  5. A Promise
  6. Heaven UP Here
  7. The Disease
  8. All My Colours
  9. No Dark Things
  10. Turquoise Days
  11. All Want

翌1981年にリリースされた2ndアルバムがこのHeaven Up Here』

前作『CROCODILES』が高評価で注目を集める中、短期間で制作されたアルバムです。
プロデューサーを変更してのサウンドは、耽美で透明感のある独自の世界が更に増したものになりました。

ニューウェーブ・ロック特有の空間系のエフェクターを駆使したギターサウンド。
さらに広がりをもたせるシンセの効果。そして全体をタイトにまとめるリズム隊。

小刻みなギター・カッティングが印象的な2.With A Hip。
ネオ・サイケたる所以のようなタイトル曲6.Heaven UP Hereなど、
ソリッドで、不安や焦燥感、疾走感あるナンバーが揃い、アルバムは全英アルバムチャートで第10位にランクイン。

もはやポスト・パンク・ムーブメントを代表する存在といった以上に、イギリスを代表する気鋭のバンドとしてその地位を確立していくようになります。

Porcupine (1983)

  1. The Cutter
  2. Back Of Love
  3. My White Devil
  4. Clay
  5. Porcupine
  6. Heads Will Roll
  7. Ripeness
  8. Higher Hell
  9. Gods Will Be Gods
  10. In Bluer Skies

1983年にリリースされた3枚目のアルバムがこのPorcupine』
アルバムは全英アルバムチャートで第2位にランクイン。
エコー&ザ·バニーメンのキャリアで最高位のアルバムとなりました。

しかし、リリース当初の評価は低いものでした。
背景にバンド内の不和、難航した曲作り、レーベル
からアルバムの原曲となるテイクに「非商業的」と難色を示されたことなどがありました。

その反面、前作から本アルバムまでの1982年の一年間にエコー&ザ·バニーメンはピーター・ガブリエル主宰のフェスをはじめ、ヨーロッパの様々なフェスティバルに出演。
着実にライヴでその地位と人気を獲得していきます。

難色を示されたテイクも、アレンジにインドのヴァイオリニストで作曲家でもあるラクシュミナラヤン・シャンカールのストリングスを起用し、独特のサウンドを構成しました。

結果、アルバムは賛否両論分かれたものの、好セールスを記録。

それぞれシングルでもリリースされた 1The Cutter と 2.Back Of Loveを含む、エコー&ザ·バニーメンを代表するアルバムとなりました。

また、氷の世界が印象的なアルバム・ジャケットはアイスランド・レイキャビック郊外にて撮影されたもので、このPVも同様にアイスランドで撮影。

エコー&ザ·バニーメンのサウンドをより印象付ける映像です。

U2 & The Smiths

ここで少し話はずれて、’80年代ニューウェーブと参照。

エコー&ザ·バニーメンが1980年のデビュー以来、ネオ・サイケデリックとして着実にその人気を獲得し、3rdアルバム『Porcupine』をリリースした1983年と同年、U2がアルバム『WAR(闘)』をリリースしました。

U2

当時イギリスではエコー&ザ·バニーメンの人気の方が強く、アイルランドでの活動を主としていたU2はイギリスでの認知度も低く、試行錯誤していた時期でもありました。

しかし、このアルバム『WAR(闘)』は全英アルバムチャートで第1位を獲得。
これを
きっかけにU2の活動はイギリスやヨーロッパのみならず、アメリカへと拡大しました。

一方、イギリス国内で圧倒的な支持を集めて人気を博していくThe Smiths(ザ・スミス)は1982年に結成。

1984年にデビューアルバム『The Smiths』をリリースします。

すでに支持層も厚かったザ・スミス、アルバムは全英アルバムチャート第2位と成功を収めます。

The Smiths

音楽評論のオールミュージックは

「シンセポップや陰鬱なポストパンクの時代が到来した頃に発表されたザ・スミスのデビュー作は、新時代の始まりの支柱となった」

と満点の評価をしました。

短期間の間で目まぐるしく様々なバンドが台頭していく’80年代ニューウェーブ。
U2、The Smithsを例に挙げ比較してみましたが、ほんの一例であり、エコー&ザ·バニーメンもその渦中で存在感を示したバンドでした。

しかし、そんなニューウェーブ、ポスト・パンクの時代も陰りが見えてきます。
一括りのジャンルで位置付けられるのではなく、個々のバンド、そのサウンドが評価されていく時代へ移って行く事になります。

Towards a solitary sound

 Ocean Rain (1984)

  1. Silver
  2. Nocturnal Me
  3. Crystal Days
  4. The Yo Yo Man
  5. Thorn Of Crowns
  6. The Killing Moon
  7. Seven Seas
  8. My Kingdom
  9. Ocean Rain

翌1984年にリリースされたのがこのOcean Rain』
前作のシャンカールによるサウンドからの流れを受け、ストリングス・オーケストラをフューチャーし、アコースティック色の濃い、ヨーロッパ的な耽美感を漂わせるアルバムとなりました。

エコー&ザ·バニーメンの代表曲ともいわれる6.The Killing Moonやクラシカルなタイトル曲9.Ocean Rainなど鋭角的な初期のサウンドととは対照的なサウンドを打ち出しています。

前述のようにこのアルバムリリース前後からポスト・パンクの流れには陰りが見え始め、それぞれのバンドの個性やサウンドのオリジナリティが問われるようになってきました。

そんな中、このエコー&ザ·バニーメンのサウンドの変化、方向転換は当時は賛否両論でした。
しかし、後年振り返ってみると、この変換は偶然かもしれませんが、賢明な選択だったとも言えます。

シングル・カットされた6.The Killing Moonは全英9位、アルバム自体も全英4位を獲得し、その人気と存在感を示しました。

アルバムは「エコー&ザ·バニーメンの最高傑作」と自他ともに称される名盤となりました。

また、美しいアルバムジャケットはイングランド・コーンウォール南東部のカーングレース洞窟で撮影されたもので、幻想文学的なアルバムを演出しています。

Echo & the Bunnymen (1987)

  1. The Game
  2. Over You
  3. Bedbugs And Ballyhoo
  4. All In Your Mind
  5. Bombers Bay
  6. Lips Like Sugar
  7. Lost And Found
  8. New Direction
  9. Blue Blue Ocean
  10. Satellite
  11. All My Life

前作Ocean Rain』から一旦その活動を休止したエコー&ザ·バニーメン。
その間、vo.のイアン・マッカロクはソロ名義のシングルをリリース。
他のメンバーもそれぞれの活動でインターバルとなりました。

その後アルバム制作を再開する中、ドラムのピート・デ・フレイタスが脱退。
解散説も流れる中、制作は一時暗礁に乗り上げてしまいます。

結果、アルバム制作のために一時的にバンドをサポートするという形でピートは復帰。

こうして1987年、5枚目のアルバムEcho & the Bunnymen』がリリースされました。

ストリングスを多用した前作に変わり、キーボードを使ったバンドサウンドへ回帰したアルバムで、シンプルながらも円熟味を増したサウンドへ到達したエコー&ザ·バニーメン。

初期のサイケでダークなサウンドの残響はあるものの、アルバムにはシングルカットされた、1.The Gameや6.Lips Like Sugarなど馴染みやすいポップなナンバーもあり、新たなステージのサウンドを聴くことができます。

また注目は3.Bedbugs And Ballyhoo。
エコー&ザ·バニーメンがリスペクトし、そのサウンドのルーツともいえるドアーズのオルガン奏者レイ・マンザレクをゲストに迎えてレコーディングされています。

アルバムは全英チャート第4位を獲得。オランダ、ニュージーランド、そしてアメリカでもアルバムチャートにランクインし、成功を収めたアルバムとなりました。

また、今作のアルバムジャケットは、ロック・フォトグラファーの巨匠アントン・コービンによるモノクロ・ポートレイト。以前の自然美背景から離れ、深みのあるジャケットです。

Echo and the Bunnymen  since then 

しかし、これがオリジナルメンバーによる最後のアルバムとなりました。

新たな境地でその活動が期待されたエコー&ザ·バニーメンでしたが、ボーカリストのマッカロクがソロキャリアを追求するためにバンドを脱退。

さらに残ったメンバーで活動を継続し始めた1989年、悲劇が起きてしまいます。
ドラマーのデ・フレイタスが、ロンドンからリヴァプールに向かう途中でバイク事故に遭い死亡。

残されたメンバーはウィル・サージェント(Gu.)レス・パティンソン(Ba.)の二人となり、事実上の解散状態となってしまいます。

その後、新たなメンバーを参加させて新体制でバンド活動を再開しますが、イアンとデ・フレイタスの抜けた穴は大きく、音楽レヴューでの酷評さらにセールス的にも失敗に終わり、1993年5月、エコー&ザ·バニーメンは解散します。

その後、イアンとウィル・サージェントのデュオをきっかけに、1997年エコー&ザ·バニーメンの名を復活させます。しかし、レス・パティンソンが脱退。

メンバーチェンジをしながらも、現在はイアン・マッカロクとウィル・サージェントの二人を中心に活動しています。

All My Life

80年代ポストパンクの時代。
そのサウンドはネオ・サイケデリアと呼ばれ、ブリティッシュ・ロックを代表するバンドとなったエコー&ザ·バニーメン。

ここではオリジナルメンバーによる1980年~1987年のサウンドに触れてみました。

同時代には数多くのバンドがロックシーンを彩りました。
そしてそのスタンスも様々でした。

シーンのトップに躍り出るや世界を目指すものや、アンダーグラウンドでその地位を確立するもの。一過性のブームで消滅してしまうものなど。

エコー&ザ·バニーメンはバンド内で紆余曲折はあったものの自分達のサウンドを追求したバンドで、周辺から見れば唯我独尊的でもありました。
しかしそれはアーティストにとって重要な資質で、ある程度の傲慢さがシーンを牽引する力として必要不可欠だからです

そういった意味では正統派のロックバンド、エコー&ザ·バニーメン。
そしてその「ネオ・サイケデリア」は今も続いています。

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