渇いたユーモアに隠された…。
- NEW COAT OF PAINT
- SAN DIEGO SERENADE
- SEMI SUITE
- SHIVER ME TIMBERS
- DIAMONDS ON MY WINDSHIELD
- (LOOKING FOR)THE HEART OF SATURDAY NIGHT
- FUMBLIN’ WITH THE BLUES
- PLEASE CALL ME, BABY
- DEPOT, DEPOT
- DRUNK ON THE MOON
- THE GHOSTS OF SATURDAY NIGHT
1st「CLOSING TIME」を更に洗練させたサウンド。ブルースやジャズの要素を取り入れその世界観に深みを増しています。
前作同様、夜の街角やバーを舞台に、そこにたむろする世の中からはみ出た人々へのオマージュともいえる視線で物語を紡ぎ上げています。
タイトル曲 6.THE HEART OF SATURDAY NIGHT(土曜日の夜)や 2.SAN DIEGO SERENADEなど初期の代表作として人気の高い楽曲です。
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郷愁?感傷的なだけさ
トムウェイツがデビューした1970年代前半、その周辺の音楽はまるで違うものでした。
当時はカントリー・ロック調の演奏を基調として高らかに歌い上げるスタイルが主流でした。
よく比較されたのがブルース・スプリングスティーンで、彼がその後一気にスターダムを駆け上がっていくのは周知の通りです。
その一方で夜な夜な場末のバーにフラりとやって来て、酒と煙草で潰れてきた声で呟くように歌い、喋ったかと思えばビッグマウスであしらわれ、取り付く島もない。いわゆる変わり者のトムウェイツ。
その音楽性も50年代ロックを彷彿とさせる前者に対し、ガーシュウィンやジョージ・シェアリングをルーツに感じさせ、古き良きアメリカン時代を想起させる楽曲。
この頃の有名なトムウェイツの言葉です。
オーソドックスで懐古的な楽曲かも知れませんが、そこで綴られるのは行き場のない人々が、したたかに生き抜く姿です。
彼が、辛辣な状況でも、そこにある僅かな喜びや優しさを描き出そうとしているからこその“名言”だと思います。
確かに、生きて行くうえでイイことばかりじゃなく、苦悩、挫折や淋しさ、色々あります。
そして色々人々がこの狭い街で同居しています。
ある人は悲しみを仮面で隠して、楽しく装っているかもしれません。
また、ある人は何度もダメになっても、前に進もうと藻掻いているのかもしれません。
そしてそれらは現実です。
トムウェイツはそれらに蓋をせず、目をそらさず向き合う事で、彼のスタイルを確立していきます。センチメンタル(感傷的)と言うよりも人間的といった方が適切かもしれません。
たまには1杯、そして“音”に浸ってみませんか?
そして、その頃のトムウェイツのライヴを収録したアルバムが
「NIGHTHAWK AT THE DINER」です。
NIGHTHAWK AT THE DINER (1975)
録音のためのスタジオライブということで、
企画モノという感は否めないものの、そこはさすがの臨場感。
歌と歌の合間の語り口(アルバムではIntro部分)では、ロサンゼルスでのエピソードや、彼らしいブラックユーモアを交えたジョークが語られ、
客の笑いを誘いながら、知らぬ間に次の曲が始まるというライブならでの展開が楽しめます。
- Opening Intro
- EMOTIONAL WEATHER REPORT
- Intro
- ON A FOGGY NIGHT
- Intro
- EGGS AND SAUSAGE
- Intro
- BETTER OFF WITHOUT A WIFE
- NIGHTHAWK POSTCARDS
- Intro
- WARN BEER AND COLD WOMEN
- Intro
- PUTNAM COUNTY
- SPARE PARTS Ⅰ
- NOBODY
- Intro
- BIG JOE AND PHANTOM 309
- SPARE PARTS Ⅱ
1つ残念なのが、自分自身に英会話能力がない事。オーマイガー!
皆さん笑っておられるのに、トムウェイツが何を喋っているのか解らず、まったくもってチンプンカンプン。何が可笑しいのやら。
日本語版のライナーノーツにも、曲の対訳はあるのですが、MCの対訳まではございませんでした。残念。想像するしかあるまい。
とはいっても実際ライブを見てるわけじゃないし、想像しろって言われてもね~。
でもそこまで言うなら仕方がない、嫌々だけど1杯飲みながら聴きましょうかね。
言っとくけど仕方なくだからね。
皆さんもたまにはこんな1杯、そしてこんなひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?
じゃ、また聴き終わったらって事で。ヒヒッ。つづく。