毎日の暮らしの基本となる衣・食・住。
とりわけ、その「食」に欠かせない食器。
もちろん料理を盛り付けるものですが、逆に料理をひきたてる名脇役でもあります。
皿によって美味しく見せたり、ちょっと多めに盛り付けて食を増進させたりと色々な効果があります。
また料理を取り分けたり、汁物を温かいまま食べれたりと使い勝手も重要です。
そしてある程度の強度も必要です。
すぐに割れたり壊れたりしたのでは、その都度大変な思いをしてしまいます。
また、重ねて収納できたりといった利便性も必要になってきます。
まあそうはいっても、色・形・機能・デザインその他全てを兼ね備えた食器などはなかなか巡り合わないもの。
結局、料理が盛れれば何でもイイやとなってしまいがちです。かつて筆者もそうでした。
ですが、やはり毎日使うものだけに、長く使えてお気に入りの食器があればそれに越したことはありません。長期的に見るとそちらの方が経済的ですし、使い勝手が慣れてくると愛着が湧いて大切に使うようになりますし。
このカテゴリーでは色々な食器(うつわ)をご紹介してみたいと思います。
まずは実用性の高さで知られるい砥部焼(とべやき)のうつわです。
砥部焼
砥部焼(とべやき)とは?
砥部焼(とべやき)は、愛媛県砥部町を中心に作られる陶磁器です。
丸みを帯びたフォルムが多く、白磁に、呉須と呼ばれる薄い藍色の手書きの図案が特徴。
素朴で温もりにあふれており、他の磁器と比べても頑丈で重量感があり、ひびや欠けが入りにくいため生活雑器として愛用されてきました。
出典:baizangama.jp
一般には食器、花器等が多く、隣県の香川県では讃岐うどんの器としてよく用いられています。
砥部焼(とべやき)の歴史
砥部焼は最初、江戸時代中期に陶器を焼く窯として始まりましたが、藩政時代に大洲藩が財政を立て直すため、磁器づくりを命じたことに起源を発するといわれています。
安永6年(1777年)、杉野丈助(すぎの じょうすけ)が白磁の焼成に成功した事に始まります。
明治時代に入ると廃藩置県により、工芸技術者の行き来が盛んになり、砥部焼はますます発展し、地場産業としての基礎が出来上がっていきます。
出典:e-hamato.com
戦後、民芸運動の柳宗悦(やなぎむねよし)や浜田庄司たちが砥部焼を高く評価し、これによって絵付けやデザインが向上現在のスタイルが出来上がっていきます。
昭和51年(1976年)砥部焼は国の伝統工芸品に指定されました。
白磁に染付という伝統の技法は今も受け継がれていますが、斬新でモダンな作品も増えています。
現在、古くから焼き物の里として知られる砥部町には100程の窯元が点在しています。
おススメの砥部焼のうつわ
それぞれに個性のある砥部焼の食器。ここでは窯元別におススメのうつわをご紹介します。
梅山窯(㈱梅野精陶所)
130年余りの伝統を受け継ぎ、砥部で現存する中で最も歴史のある窯元です。
用と美の実用工芸品の制作に現在も手作り手描きで取り組んでおり、砥部焼を代表する窯元です。
梅山窯 3.7寸 平鉢同絵柄5枚セット
サイズ:直径12㎝×高4.5㎝
★昔ながらの手法で仕上げた小鉢です。
★「赤線唐草」「呉須赤菊」「底唐草」「内外太陽」「内外流れ菊」の絵柄の中から、お気に入りの柄を選べます。
★砥部焼に珍しく薄手・軽量に仕上げた、直径12cmの使い勝手のよい平鉢。煮物や酢の物、おひたしなどを盛るのに最適です。
梅山窯 3.5寸 切立丸皿(ごす巻)
サイズ:直径10.6㎝×高さ2.5㎝
★ 厚みがあり、丈夫なお皿です。
縁が切り立ったかたちで、深みがあります。
★取り皿やお醤油皿として使ってもいいですし、お漬け物や 和菓子をのせたりと、何かと便利な小皿です。
梅山窯 7寸 切立丸皿(赤笹)
サイズ:直径 22㎝ × 高さ 3.5㎝
★切立丸皿という、縁が少し切り立った形のお皿です。
★藍色の染付が多い砥部焼ですが、朱色の染付が鮮やかなデザインです。
★直径22cmの手頃なサイズです。パスタや焼き飯、お肉を炒めておかず皿としてなど、使いやすいサイズのお皿です。
★白地に朱色の模様なので和風料理に限らず、ジェノベーゼソースなどのイタリアンにも良く合うお皿です。
梅山窯 3.7寸 平鉢 (内外唐草)
サイズ:11.5 ㎝x 4.2㎝
★砥部焼の最も代表的な模様である唐草文を、うつわの内側、外側ともに描いている「内外唐草文」の小鉢です。手書きの絵付けですので味わい深く、飽きが来ないデザインです。
★直径11.5cmと手のひらに収まる手頃なサイズです。
★酢の物やおひたしなど、チョットした一品に最適です。
★数枚重ね合わせても重なりが良く、収納も場所をとりません。
★重いものが多い砥部焼ですが、この商品は、薄く作られていて軽い小鉢です。
梅山窯 8寸丸皿(ごす朱菊)
サイズ:24.8㎝x 4.0㎝
★直径約25㎝の大きめのサイズのお皿です。
★絵柄は人気の高い「ごす朱菊」。藍色に朱が鮮やかで見栄えのある模様です。
★大きめのお皿なのでパスタやちらし寿司、丸ごと1匹姿焼きの鯛などの焼き魚、肉料理など幅広く使えます。
★砥部焼の絵付けは全て手描きです。裏には梅山窯さんのサインである「梅」が記されています。
梅山窯 4寸丸皿(赤太陽)
サイズ:13.5㎝x 2.2㎝
★「太陽」をモチーフにした朱色の染付けが鮮やかな丸皿です。
★直径約13.5センチの大きさであまり深さのない、平らなお皿です。
★お茶請けの皿として和菓子などを乗せると、とても映えておススメです。
また手頃な大きさですので、取り皿としても使えます。
★朱色が映えるお皿ですので、ほうれん草のおひたしなどちょっとした緑色野菜の盛り付けもおススメです。
陶彩窯(長戸製陶所)
陶彩窯 古砥部文 花垣文 6寸深皿
サイズ: 18.3㎝×5.0㎝
★古砥部の文様「花垣文」が施された古砥部シリーズの深皿です。
★素朴ながら温かみのあるの飽きのこないデザイン。
独特の文様が料理を引き立たせてくれます。
★深皿なので煮物やサラダなど、幅広い料理の盛り付けに使え、便利です。
陶彩窯 茶碗 A柄 小梅文 大
サイズ:12.5㎝×6.0㎝
★古砥部の文様『小梅文』が施された古砥部シリーズの茶碗です。
★なめらかでぽってり厚みのある白磁に小さく梅模様がデザインされた愛嬌のある茶碗です。
(写真はサイズ大と一緒にサイズ小もありますが、ご紹介していますのはサイズ大です。)
★サイズ大と併せて夫婦茶碗としてセットもおススメです。
★贈り物にもピッタリです。
陶彩窯 古砥部 蝶文 5寸深皿
サイズ:15㎝×4.2㎝
★古砥部の文様『蝶文』が施された古砥部シリーズの深皿です。
★シンプルで飽きのこないデザインで長く使えます。
★煮物などの和風料理はもちろん、トマトソースを使った料理やグリーンサラダなども映えますので、色々な料理に使えます。
陶彩窯 小花文 ピンク 5寸深皿
サイズ:15.5㎝×4.2㎝
★古砥部の文様『小花文』が施された古砥部シリーズの深皿です。
★うつわの内側、外側ともに『小花文』が施されていて目で見ても楽しめる飽きが来ないデザインです。
★手書きの絵付けですので味わい深く、かわいらしい器です。
サイズも15㎝とお手頃な大きさなので、贈り物にもおススメです。
陶彩窯 小花文 ピンク そばちょこ
サイズ:8.5㎝×7.0㎝
★古砥部の文様『小花文』が施された古砥部シリーズの蕎麦猪口です。
★そば猪口として、そばつゆを入れるのはもちろん、湯呑みや小鉢などとしても使えます。
★シンプルでどこかモダンなデザインのそばちょこです。
サイズも手のひらに収まるサイズですので、使い勝手も便利で幅広い場面で使えます。
陶彩窯 白磁手あと7寸皿
サイズ:21.1㎝×3.6㎝
★手あと淡青白磁と呼ばれる砥部焼7寸皿です。
★手書きの藍色の染付が多い砥部焼ですが、白地に淡い青の色合いが美しい皿です。シンプルなデザインでどんな料理にも合います。
★21㎝とちょうど良い大きさですので、パスタやカレーなどボリュームのある料理も盛り付けることができます。
★砥部焼としては珍しく柄の染付がされていませんので、趣向に合わせて贈り物などにもおススメです。
陶彩窯 草文7寸深皿
サイズ:21.5㎝×4.8㎝
★「草文」と呼ばれる「草」をモチーフにした柄です。個性的でシンプルなデザインで存在感のある皿です。
★深さがありますので汁気の多い煮物、豚の角煮や煮魚などの盛り付けにピッタリです。
★洋風料理も映えますが、やはり和風で刺身の盛り合わせなども華やかでおススメです。
中田窯
中田窯 そば猪口(小)めだか
サイズ:7.5㎝×6㎝
★泳ぐめだか可愛らしい絵柄のそば猪口です。一つ一つ手書きの染付ですので、それぞれに違った表情があり、使い続けるうちにさらに愛着が湧いてくる器です。
★そば猪口(小)は手のひらに収まる小さめサイズ
★そば猪口として以外にも、ちょっとした和え物や酢の物を盛り付けて小鉢代わりにしたり、薬味入れなどに使うのもおススメです。
中田窯 ゴス魚絵 7寸縁付皿21㎝
サイズ:21.8㎝×4.0㎝
★中田窯のゴス魚絵7寸縁付皿です。
★めだかが皿の中で泳ぐ絵付けでユニークな食器です。かわいらしさに目が向きがちですが、砥部焼の特徴でもある白く綺麗なで丈夫な生地に鮮やかな色で絵付けがしてあり、砥部焼の雰囲気が楽しめるお皿です。
★サイズも約22cmと使い勝手の良い大きさです。メイン料理の盛り付けにちょうど良く、食事が進むにつれて現れるメダカの泳ぐ姿も楽しめ、遊び心溢れるお皿です。
中田窯 6寸丸皿(はけめ)
サイズ:18.5㎝×3.8㎝
★絵付けは呉須という技法で、藍色のラインを数多く描き、刷毛(はけ)で描いたような絵付けから「刷毛目」(はけめ)と呼ばれる絵柄です。
★中田窯の作風の特徴として白磁の中に荒土を混ぜて成型してあり、独特の柔らかな風合いをしています。
★料理を盛り付けた際に皿縁の刷毛目(はけめ)文様が美しく料理を引き立ててくれます。はけめ表面には鉄点が大小表れていて、更に表情豊かな下地です。
★縁がなだらかに上がったかたちの丸皿ですので煮魚など、汁のあるおかずにも安心して使えます。
〒791-2205 愛媛県伊予郡砥部町総津159−2
TEL.:089-969-2077
雲石窯
美しい白磁に、独自に調合された濃いめの藍色の呉須(顔料)で描かれる文様は、シンプルながら大胆な構図のものもあり、モダンな雰囲気を感じさせます。
工芸品として日々の暮らしの中に溶け込む器を手作りにこだわってつくられています。
雲石窯 正方皿(大)TT
サイズ:縦22.0㎝×横22.0㎝
★砥部焼としては珍しい正方形のお皿です。
★皿縁に絵付けがされていて、和洋問わず色々な料理に合うデザインです。
★22cm×22cmと大きめのお皿なので、数種類のおかずを盛り付けてワンプレートランチとしても使え、用途が広がります。
雲石窯 19プレート
サイズ:直径19cm
★直径19cmと使い勝手の良い大きさのお皿です。
★少量の1人分ランチやサラダ、ロールパンの取り皿など小分けで盛り付けるのにぴったりです。
★縁に描かれているデザインは黒渋味のある呉須による染付で、文様の際が滲み、複雑な濃藍色となるのが特徴です。
シンプルな模様ですが温かみのある器です。
雲石窯 15.5プレート 細十草
サイズ:直径15.5cm
★皿中央から広がる細かな模様が美しい小皿です。
★少量の煮物や和え物、酢の物などちょっと盛りにピッタリです。
★線の模様と縁の所の呉須が釉薬により、滲みを生じて柔らかな風合いのお皿です。
★15.5cmと小ぶりなお皿ですので、取り皿やケーキ皿などにもおススメです。
雲石窯 楕円ボウル 草文
サイズ:縦 16.5㎝×横22㎝×深さ3.5㎝
★「草文」と呼ばれる「草」をモチーフにした柄です。個性的でシンプルなデザインで存在感のある皿です。
★楕円形のお皿で、しかも少し深さがありますので、カレーやシチュー、ロールキャベツなど色々な洋食に使えます。
★和洋中と料理のジャンルを選ばずに使え、実用的なお皿です。
数枚用意しておくと、普段の料理に役立ちおススメです。
江泉窯
主に食器を製作しており、作ったお料理を温かく守れるようにと「温まる食卓」をモットーとしています。丈夫で飽きのこないベーシックな砥部焼です。普段使いにもギフトにも最適です。
江泉窯 浅鉢(大)唐草
サイズ:18.0㎝×7.5㎝
★「唐草」を描いた中鉢。どんぶりです。
ふちに丸みのある「玉縁鉢」(たまぶちばち)という形でしっかりした作りになっています。
★厚みがあり、重さもありますが頑丈で割れにくく、長年にわたり使うことができます。
★砥部焼は讃岐うどんの器として使われていることが多く、このどんぶりもうどんにピッタリのサイズです。麺類におススメです。
江泉窯 丸皿(小)唐草文
サイズ:15.0㎝×3.0㎝
★砥部焼の定番の模様、唐草文のお皿です。
★絵付けは全て手書きのため1枚1枚微妙な違いがありますが、手作業の温もりを感じる器です。
★江泉窯の特徴である砥部焼の伝統を継承した作りで、皿も厚みがありしっかりした作りで丈夫です。
★直径15cmと小ぶりです。取り皿としてまたケーキや和菓子の受け皿として幅広く使えます。
〒791-2132 愛媛県伊予郡砥部町大南275
TEL.089-962-2448
今回ご紹介した砥部焼。シンプルな白地に藍の染付でどんな料理にも合います。
また厚手で丈夫な作りですので長年使うことができます。
砥部焼には窯元も多く、まだまだ多くの作品があります。
それぞれが伝統を活かしながら窯元ごとに個性ある器を制作しています。これを機に色々な砥部焼の食器をご覧になってみてはいかがでしょうか?
ご家庭にひとつ、砥部焼の食器。おススメです。