As the Eddi Reader
アルバム『The First of a Million Kisses』で全英トップに登り詰め、華々しいデビューを飾ったものの、徐々に自分達本来のサウンドを自由に追求できなくなったフェアーグラウンド・アトラクション。
当然、ストリートに戻るなど不可能な状態。
そして、メジャーでの制約のあるサウンドと活動を強いられることは間違いなく。
さらにバンド内での不協も。エディが自由にソングライティングができない事へのジレンマなどもあり、1990年にフェアーグラウンド・アトラクションはあっけなく解散。
エディはスコットランドへ戻り、元メンバーのRoy Dodds(ロイ・ドッズ)と共にレコーディングを始め、ソロ活動を始めていきます。
そして1992年にフェアーグラウンド・アトラクションと同レーベルのRCAからリリースされたファーストソロアルバムが『Mirmama』。
しかし、全英34位と制作サイドが期待したほどセールスは伸びず、RCAと離別することになります。
Mirmama (1992)
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- What You Do With What You’ve Got
- Honeychild
- All Or Nothing
- Hello In There
- Dolphins
- The Blacksmith
- That’s Fair
- Cinderella’s Downfall
- Pay No Mind
- The Swimming Song
- My Old Friend The Blues
全英34位と、セールス的には振るわなかったものの、内容としてはフェアーグラウンド・アトラクションの続編的な作りになっています。
フェアーグラウンド・アトラクションが“はじけた”アルバムなら、このエディのソロはより落ち着いた印象で、さらにトラッド色が強くなった感があります。
言い換えればフェアーグラウンド・アトラクションではやや不発気味だったエディのカラーと方向性が示されたアルバムでおススメの1枚です。
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Eddi Reader (1994)
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- The Right Place
- Patience Of Angels
- Dear John
- Scarecrow
- East Of Us
- Joke (I’m Laughing)
- The Exception
- Red Face Big Sky
- Howling In Ojai
- When I Watch You Sleeping
- Wonderful Lie
- Siren
新たな活動の場を求めてアメリカでレコーディングをしたソロ2枚目のアルバム。
新たにワーナー傘下のBlanco Y Negroレーベルと契約、リリースされました。
かつてのフェアーグラウンド・アトラクションの盟友Mark E. Nevin(マーク・E・ネヴィン)との共作曲を含むアルバムで、当時流行ったサウンドらしいポップな仕上りになっています。
アルバムは全英チャートの5位にチャートインし、シングル「ペイシャンス・オブ・エンジェルズ」が大ヒットし、エディは「ベスト・ブリティッシュ・フィーメイル」を受賞しました。
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Candyfloss and Medicine (1996)
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- Glasgow Star
- Town Without Pity
- Medicine
- Rebel Angel
- Semi Precious
- Lazy Heart
- I Loved A Lad
- Butterfly Jar
- Candyfloss
- Darkhouse
- If You Got A Minute, Baby
- Sex Lives
ロンドンに戻り、再びレコーディングに。
チェルシーにあるスネイク・ランチ・スタジオで完成したアルバムがこのCandyfloss and Medicine。3作目となるアルバムです。
アコースティックなサウンドは変わらずも、さらに奥深くメロウな作品です。
また、ケルトの要素も取り入れられ、専門家からも評価の高いアルバムとなっています。
このアルバムに伴うツアーを敢行。そして、徐々にエディに対する評価が高まる中、この「Candyfloss and Medicine」(未発表曲を含む)はアメリカでもリリースされ、次いで、1stアルバム「Mirmama」もアメリカでリリースされました。
ここに来てようやくフェアーグラウンド・アトラクションのエディではなく、エディ・リーダーというアーティストとしての存在が脚光を浴びるようになります。
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Angels & Electricity (1998)
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- Kiteflyer’s Hill
- Prayer Wheel
- Postcard
- Wings On My Heels
- On A Whim
- Hummingbird
- Barcelona Window
- Bell, Book And Candle
- California
- Follow My Tears
- Psychic Reader
- Please Don’t Ask Me To Dance
- Clear
- Homesick Son
- St. Christpher
4枚目のアルバムは前作の段階で既に構想され、1997年には用意されていました。
年1枚というハイペースでリリースされる勢いでしたが、レーベルの状況が悪く、待たされることになります。
翌年1998年にようやくリリースされたのが「Angels & Electricity」です。
サウンド的には前作同様のアレンジ感ですが、明るい曲調が多く華やかになった印象を受けます。聴きやすいおススメの1枚です。
好評を得たアルバムでしたが、前述のようにセールスサイドの問題のため、リリース後にBlanco Y Negroとの契約を終了、レーベルから離れることになります。
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そして、2001年に新たなレーベルRough Trade~Compass recordsからリリースされたのが「Simple Soul」です。
Simple Soul (2001)
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- Wolves
- The Wanting Kind
- Lucky Penny
- Simple Soul
- Adam
- Footsteps Fall
- Blues Run The Game
- I Felt A Soul Move Through Me
- Prodigal Daughter
- Eden
- The Girl Who Fell In Love With The Moon
前作よりもはるかに簡素な音で作られた、タイトル通りの“シンプル”なアルバムです。
個人的にはエディのキャリアの中で、ベスト・アルバムではないかと思います。
多くの曲は2nd「Eddi Reader」からの協力者であるMark “Boo” Hewerdine(マーク・“ブー”・ハワディーン)との共同制作になっています。
もともとデモを目的としたスタジオ録音でしたが、エディがあまりの出来の良さにリリースを決めた『偶然の産物』です。
曲調もシンプルなリフレインが多く、これまでの作品と聴き比べると単調かもしれませんが、1音ずつに含まれる温かみや柔らかさは際立っています。エディ本来の姿がようやく反映された名盤です。
go back to the basics
自分を表現したくて伝えたくて路上で歌い始めました。
さらに可能性を信じて色々なステージを踏んで来ました。
そして再び路上で心から楽しめる音楽をき気の合う仲間たちと自由に楽しみました。
その姿勢はセールスや名声などといったものを追いかけるものではなく、自分を信じ、その音楽に真摯に向き合うことでした。
そんなEddi Reader(エディ・リーダー)とは?
今も歌い続けています。シンプルに。ミュージシャンとして人として。つづく。