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毎日使いたい 暮らしのうつわ 【小鹿田焼(おんたやき)】

 小鹿田焼(おんたやき) 暮らし・健康

「毎日使いたい 暮らしのうつわ」シリーズ、今回は大分県日田市の焼き物「小鹿田焼(おんたやき)」をご紹介します。

かつて、民藝運動の中心人物であった柳宗悦に「世界一の民陶」と称賛された「小鹿田焼(おんたやき)」。
日常使いの雑器でありながらその製陶技法、芸術性は高く評価され、伝統工芸品として知られています。

素朴な模様が特徴で、使い込むほどに馴染んで愛着が湧いてくるのが小鹿田焼の魅力。

お気に入りの1枚を見つけてみてはいかがでしょうか?

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「小鹿田焼(おんたやき)」とは?

「小鹿田焼(おんたやき)」は大分県日田市郊外の小鹿田皿山という小さな集落で、伝統的な製法で作られる焼き物です。

他の産地では製陶の機械化が進みましたが、小鹿田焼は昔ながらの伝統の製陶で作られています。

他の地域の土は一切使わず、現在も近隣の山の土を原料にし、川の流れを利用した唐臼(からうす)で20~30日ほどかけてパウダー状になるまで砕きます。

photo from city.hita.oita.jp

陶土を形成するろくろも、足で蹴ってまわす、蹴ろくろを使い、昔と変わらない技法で作られています。
この蹴ろくろは電動ろくろより扱いが難しく、土の様子を見ながら成型していく高い技術が求められます。

窯で使われる薪も地元日田の薪を使い、焼いています。

また、この製陶技術の伝承は、親から子へと受け継がれる一子相伝の世襲制で、家族全員が参加しながら、すべての工程を手作業のみで行っています。
これも小鹿田焼の特徴で、このため現在の窯元は開窯時からの流れを汲んだ約10軒のみ。

約300年続く伝統はひっそりと、しかし脈々と受け継がれてきました。

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「小鹿田焼(おんたやき)」の歴史

「世界一の民陶」と称賛された「小鹿田焼」。
その歴史は江戸時代に遡ります。

宝永2年(1705年)に日田の代官の命により小石原焼の陶工、柳瀬三右衛門を招き、小鹿田皿山 に登り窯を開いたことが小鹿田焼のはじまりと言われています。
小鹿田焼と小石原焼が似た作風で、兄弟窯といわれる所以がここにあります。

写真:小鹿田焼陶芸館冊子より

そしてこの柳瀬氏を招いたのが黒木氏、そして土地を提供したのが坂本氏と、現在も小鹿田焼を継承する家系です。

当初、農業ができない時期に窯業を扱う半農半陶(はんのうはんとう)のペースで、領内の日用品の需要に応えるために製陶されていました。

 

そんな大分県の山間でひっそりと作られていた小鹿田焼が、注目されるきっかけとなったのが大正時代に始まった民藝運動です。

冒頭のように、その民藝運動の中心人物であった柳宗悦(やなぎ むねよし)が、自身の著書『日田の皿山』(1931年) で小鹿田焼を「世界一の民陶」と称賛したことで、世の中へ認知が高まりました。

柳宗悦(やなぎ むねよし)
photo from nihon-mingeikyoukai.jp

さらに運動に加わっていたイギリスの陶芸家バーナード・リーチも小鹿田焼の里を訪れ、窯元の職人達と共に製作活動をし、1ヶ月近く滞在しました。

その交流の中で陶芸技術や、陶芸を生業とするための方法を伝えたといわれています。

バーナード・リーチ
photo from wikipedia

バーナード・リーチ作品
photo from mingeikan.or.jp

そして小鹿田焼は現在も、昔から変わらない手作業による伝統的な製陶で作られています。

その後、近年では1995年に「小鹿田焼」が国の重要無形文化財、2008年に「小鹿田焼の里」が国の重要文化的景観に選ばれました。

photo from edit.pref.oita.jp

「小鹿田焼(おんたやき)」の特徴

小鹿田焼の器には「飛び鉋(とびかんな)」という美しい模様があります。
この他「刷毛目(はけめ)」「流し掛け(ながしかけ)」などといわれる装飾技法があり、素朴ながら個性的な小鹿田焼の特徴となっています。

【飛び鉋(とびかんな)】

型作りした器をろくろで回転させながらL字型鉋(かんな)の刃先を表面にあて、連続した削り模様をつけていきます。あっという間に出来上がる図柄に驚かされます。
福岡の兄弟窯である小石原焼とも共通する技法で、小鹿田焼を代表する模様です。

【刷毛目(はけめ)】

型作りした器をろくろで回転させながら、化粧土を刷毛で塗って付ける模様です。
刷毛ならではの濃淡が他に二つとない味わいを生み出します。

【流し掛け(ながしかけ)】

釉薬や化粧土をひしゃくやスポイトなどで垂れ流すようにかけて付ける模様です。自然に任せて流しかけることで想定外の柄を生み出せるのが特徴です。また、何色も重ねることで様々な表情が生み出せます。

【櫛描き】

木などで櫛状の道具を作り、波状の穏やかな曲線や直線などの文様を施す技法です。
櫛によってデザインも異なり個性的な表情を生み出せます。

【指描き】

成形→乾燥→白化粧土の工程の中で、白化粧土が乾かないうちに指で直に文様を施す技法です。
人間味溢れる表情を楽しむことができます。

【打ち掛け】

前述の「流し掛け」は自然に任せて流しかける技法でしたが、「打ち掛け」はその言葉通り釉薬を柄杓に汲み、器に打ち付けるように掛ける技法です。

 

器の特徴と共にその製陶方法にも特徴があります。

前述のように小鹿田焼の製陶は、親から子へと受け継がれる一子相伝の世襲制で、家族全員が参加しながら、すべての工程を手作業のみで行っています

さらに、窯元は作品に個人名を入れたりせず、「小鹿田焼」として販売。
その価格も窯元によって差をつけず、共同体として「小鹿田焼」の製陶を伝承しています。

このような窯元の在り方は全国でも珍しく小鹿田焼の特徴の一つです。

おススメの「小鹿田焼(おんたやき)」を窯元別にご紹介

小鹿田焼の里では、現在、坂本家・黒木家・柳瀬家・小袋家の4家で作陶しています。

数軒の窯元が合同で器を焼く「共同窯」と、窯元自身が窯をもつ「個人窯」に分かれており、全部で約10軒の窯元があります。ここでは小鹿田焼の代表的な窯元別におススメの器をご紹介します。

黒木昌伸窯

小鹿田焼 黒木昌伸窯 五寸皿 刷毛 目緑

直径約15.5 ㎝X 高さ3.5㎝

★流れるような刷毛目でモダンな印象が特徴の黒木昌伸氏の器。
緑色を基調とした刷毛目が美しい器です。

★直径15cmの皿ですので、ちょっとした盛り付けや取り皿など、使い勝手のいいサイズです。

★電子レンジ&食洗機ともに使用可。

小鹿田焼 黒木昌伸窯 五寸皿 飛び鉋 飴

直径約15.5 ㎝X 高さ3.5㎝

★飛び鉋の模様と艶のある飴色の器で、料理映えのする色合いです。

★取り皿にちょうどいい定番の5寸皿。
直径15cmのサイズです。
少し深さがありますので、煮物など汁気のあるおかずの取り分けにも使えます。

★電子レンジ&食洗機ともに使用可。

小鹿田焼 黒木昌伸窯 四寸片口 刷毛目に櫛目 白

直径約11㎝ X 高さ7㎝

★黒木昌伸窯らしい、すっきりとしたフォルムの片口の器です。

★煮物などの盛り付けの他、山芋のすりおろしや納豆などの小鉢としても使えます。

★片口ですので酒器として、またドレッシングやそばつゆ入れなど色々使えて便利です。

小鹿田焼 黒木昌伸窯 丸フリーカップ 飛び鉋 緑

口径約9㎝ X 高さ8.5㎝

★丸みを帯びた可愛らしいフリーカップです。
飛び鉋の模様が淡い緑に溶け込み、落ち着いた色合いです。

★お茶やコーヒーなどはもちろん、焼酎グラスなど酒器としても使えば、普段とは違った趣が楽しめます。

★飲み物以外にもアイスクリームの盛り付けなどアイディア次第で、和テイストを楽しむことができます。

坂本浩二窯

小鹿田焼 坂本浩二窯 四寸すり鉢 櫛目 飴

口径約11.5㎝ X 高さ5.5cm

★小鹿田焼の里でも一目置かれる窯元でもあり、小鹿田焼協同組合の副理事長を務める坂本浩二氏の器です。

★小ぶりな片口付きのすり鉢です。すりおろした物をそのまま食卓に並べられます。

★すり鉢としてはもちろんですが、チョッとした和え物などを盛り付けて、小鉢としてもお使いいただけます。

小鹿田焼 坂本浩二窯 八寸皿(フチあり)飛び鉋 白

直径約24㎝ X 高さ4.5cm

★飛び鉋の模様が鮮やかな八寸皿。
直径約24cmと1枚は持っておきたい使い勝手の良いサイズです。

★縁付きですのでカレーやパスタなどにおススメです。
色々な料理に幅広く使えます。

★和洋中問わず色々な料理が映える落ち着いた色合いです。

★小鹿田焼らしい素朴でシンプルなお皿です。
普段使いで使い込むほどに馴染んできて、長年にわたってお使いいただける一枚です。

小鹿田焼 坂本浩二窯 一合壷 飛び鉋 飴

口径約5.5㎝ X 高さ10.5㎝

★飛び鉋の模様の小ぶりな壺です。
蓋付きですので、色々な調味料の保存容器としておススメです。

★一合(約180ml)の容量があります。
梅干し、佃煮など食卓に添えるちょっとした器にピッタリです。

★場所を取らない小ぶりな大きさですので、用途別に数個コレクションするのもおススメです。

小鹿田焼 坂本浩二窯 ふせ合わせ 四寸深皿 飛び鉋 白

口径約12㎝ X 高さ4.5cm

★通常の重ね焼きとは異なり、お皿とお皿を貝のように伏せて合わせ、次の段には高台どうしを合わせて積み重ねて窯で焼き上げるふせ合わせ焼きの器です。

★重ね合わせる皿の縁には釉薬を施釉しないため、器のふちの部分に土の素地が見えるのが特徴であり、器の意匠でもあります。

★器の内側に施された模様は「抜き飛び鉋」といわれるものです。
規則的に刻まれた飛び鉋とはひと味違う趣があります。

★深皿ですが小鉢のような感じですので、色々な料理にお使いいただけます。

柳瀬裕之窯

小鹿田焼 柳瀬裕之窯 藁引き 片口 五寸 緑

直径約16cm×高さ約7cm

★藁(わら)引きと呼ばれる技法により付けられた模様はとても動きのある雰囲気を持っており、緑色が独特な色合いの仕上がりです。

★直径約16cmと中皿サイズの丸みのあるやや浅めな片口です。

★汁気のある煮物の盛り付けの他、ドレッシングやソースの器として色々お使いいただけます。

【藁(わら)引きとは?】
化粧土をかけた型作りし器に、藁や黍(きび)などを集め、無造作に線を引いて模様をつける技法。
線を引いた後に釉薬をかけることにより、焼いた際に線が強調されすぎず、ところどころに線の濃淡が表れ、自然な感じになります。

小鹿田焼 柳瀬裕之窯 飛び鉋 コブレット

口径約9.5cm×高さ約8.5cm

★脚(土台)の付いた湯呑み・コブレットです。
飛び鉋の模様が美しく、いつものお茶や珈琲に彩りを添えてくれます。

★湯呑やカップによくある貫入(釉薬の細かいヒビ)からお茶、珈琲等による着色は不可避ですが、毎日使う事によりその色素沈着も味わいとなり風情が増します。

★日本酒やワインなど酒器として使っても、ひと味違う雰囲気を楽しめます。

黒木富雄窯

小鹿田焼 黒木富雄窯 六寸皿 飛び鉋 緑

直径約18.5㎝ X 高さ4㎝

★直径六寸、約18cmの皿です。薄い緑色を基調とした色合いに描かれた飛び鉋が印象的な器です。

★副菜の盛り付けや、大きめの取り皿としても使え、一枚あると便利なサイズです。

★落ち着いた色合いで様々な料理の盛り付けに合い、美味しさを引き立たせてくれます。

★普段使いのお皿に。
使うほどに味わいが増す一枚です。

小鹿田焼 黒木富雄窯 五寸フチ角切立皿 刷毛目

口径約15㎝ X 高さ5㎝

★縁が立った浅めの深皿です。五寸で約15cmと使いやすいサイズです。

★刷毛目の模様が美しく趣があり、シンプルですが色々な料理が映える器です。

★少量のちょっとした盛り付けや取り皿としても使え便利です。

★深さがありますので、汁気のある煮物や和え物にもおススメです。

★小鹿田焼の器は全て登り窯で焼成されています。手作業による器ですので、サイズには若干の誤差があります。

★電子レンジ&食洗機も使用可能。

坂本工窯

小鹿田焼 坂本工窯 四寸飯椀 飛び鉋 白

口径約12㎝×高さ6.5㎝

★白地に飛び鉋の模様が映える、シンプルなデザインのご飯茶碗です。

★坂本工窯は小鹿田焼の窯元の中で唯一、釉薬に科学的な薬品を加えず作陶されています。自然の色合いで、使うほどに馴染んで愛着が湧く器です。

★ご飯茶碗としてももちろん、ミニサラダやフルーツボウルとしても使え、色々なシーンでお使いいただけます。

小鹿田焼 坂本工窯 八寸深皿 刷毛目 白(焼き甘め)

口径約25㎝ X 高さ7㎝

★刷毛目模様の八寸深皿です。
(焼き甘め)の表示通り、少し焼きの甘い状態での仕上がりです。そのため白地ですが、独特の色合いに焼き上がっており、柔らかい表情の器です。

★中皿で深さもありますので、汁気のある煮物や煮込み料理の盛り付けにおススメです。

★直径25cmとちょうど良い大きさです。少人数での盛皿料理に、サラダや多めの分量のパスタなどにも使えます。

★サイズ、深さ、色合いと揃っており、和洋中問わず使えて実用的。
長年に渡って使える器です。

小鹿田焼 坂本工窯 五寸鉢 飛び鉋 白

口径約15㎝ X 高さ7㎝

★内側に飛び鉋が施された鉢(ボウル)です。外側は渋めの褐色。
シンプルで飽きの来ないデザインです。

★口径15cmですっきりとした形の鉢ですので、煮物や和え物など色々な料理の盛り付けに使えます。

★麺類や丼物のどんぶりよりはひと回り小さいサイズですが、逆に少量の麺類やお茶漬けの椀などにピッタリです。

★葛切りやわらび餅、あんみつなど甘味の和風デザートの盛り付けにもおススメです。

使い込むほどに味わいが増していくのが小鹿田焼の特徴であり、良さでもあります。
長く使えるお気に入りの一枚を見つけてみてはいかがでしょうか?
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