Wintergatan /Marble machine (ウィンターガタン/マーブルマシーン)試聴回数1.6億回。
Marble machine
もうすでにご覧になった方も多いのでは?時代に逆行しているようなのに斬新でインパクトのある映像です。
ついついリピートして見てしまうのもごもっとも。目を奪われてしまいます。
マーブル・マシンは手動で動く、鋼鉄のビー玉を使った“楽器”。
1台でドラム、ベース、ビブラフォンなどのパートを一度に演奏することができます。
歯車によるフィーダーでオルゴール上部へとビー玉を持ち上げ、ビー玉は、プログラムをもとに開閉するゲートを通って機械内部を落下し、機械下部に設置された楽器を叩き、音を奏でるという仕組みです。
落ちる鉄球の距離、複数のギア比などを計算し、完全に整えることで、各音とリズムの整合性をとっています。
制作したのはWintergatan(ウィンターガタン)の中心的人物であるMartin Molin(マーティン・モーリン)。ミュージシャンでもありながら、このマーブルマシンを約2年の歳月をかけ作り上げました。
マーティン・モーリンはこのマーブルマシン以前にも様々なオリジナル楽器を制作。
エレクトリック・オートハープやデジタル・テルミン、パンチカード・オルゴールなどその楽器は多種多様。
また、それらの電子楽器を実際に使用することで、ウィンターガタンのサウンドを特徴付けています。
マーブルマシンはその集大成的な“楽器”とも言えるもので、一躍注目を集めることになりました。
オルゴールや自動ピアノのようで懐古的な部分もありながら、プログラミング制御による数学的な統制がされており、手動による自動演奏の最先端の形と言えるでしょう。
このオリジナル・マーブル・マシンは、オランダのユトレヒトにある博物館スピールクロクに展示されたことがあるほどで、音楽界のみならず様々な分野でも注目されています。
シンプルなピアノバージョンを聴くと改めてこの曲の美しさを認識することができます。
この他にもマーブルマシンの動作解説や制作過程を記録した動画もあります。
詳細はぜひそちらもご覧になってみて下さい。
Wintergatan
マーブルマシンに注目が集まってしまいがちですが、本来のWintergatan(ウィンターガタン)とは。
2013年にデビューしたスウェーデンのヨーデボリ出身のインストゥルメンタルバンド。
彼等のサウンドはフォークトロニカと呼ばれ、フォークとエレクトロニカの要素を併せ持った音楽というカテゴリーに位置付けられています。
その音はどこか懐古的で哀愁を帯びつつも、電気的な規整を感じさせる独自のサウンド。
一度耳にしたら離れない個性的な音楽です。
前身はDetektivbyrån(ディテクティヴビィロン)というバンドで、スウェーデン版グラミー賞にノミネートされた事もあるバンドでした。
このメンバーであった先程のマーブルマシンの開発者Martin Molin(マーティン・モーリン)とMarcus Sjöberg(マルクス・ショーエン)を中心に結成されたのが、ウィンターガタンです。
マーティン・モーリンはビブラフォンと電子楽器を担当。また、すべての楽曲の作曲と、ミュージックビデオを手掛けています。
Evelina Hägglund(エヴェリナ・ハッグルンド)は鍵盤楽器を、David Zandén(デイビット・ザンデン)はベースを、そしてマルクス・ショーエンはドラムを担当しています。
Wintergatan (2013)
出典:https://www.amazon.co.jp/
- Sommarfagel
- The Rocket
- Tornado
- Valentine
- Slottsskogen Disc Golf Club
- Biking Is Better
- Vastanberg
- Starmachine2000
- All Was Well
- Paradis
- Marble Machine
2013年にリリースされたアルバム。
オルゴール、ビブラフォン、アコーディオンなどのアナログな楽器によるサウンドと、サンプリングされたエレクトリックな音が見事に融合した1枚。
冒頭1.Sommarfagel。ウィンターガタンの世界へ引き込まれる印象的な導入曲で、ビブラフォンの導入からバンドサウンドへの展開が小気味よく、存在感の強いナンバーです。
アコーディオンをフューチャーし、ノスタルジックな雰囲気が漂う2.The Rocket。
タイプライターのカウントが印象的な4.Valentine。
また、スライドのような転写機(?)の音から始まるポップなナンバー8.Starmachine2000など多彩な表情を見せ、聴きごたえのあるアルバムです。
ご試聴はコチラ↓
Next Stage
2013年にアルバムがリリースされてから随分と時が経ちました。
昨今の音楽市場は短いスパンでのリリースが繰り返される売上至上主義。
そんな状況とは一線を画すウィンターガタン。
しかし、マイペースな活動を続けながらもそのサウンドは徐々に浸透しリスナーを増やしています。
また、「マーブルマシン」の“からくり”の解説や制作過程の動画もアップされており、革新的な創作も注目を集めています。
バンドとしてのライヴやアルバムリリースも期待しますが、あの“マシン”を製作しているとすれば、何年も時間を要し、露出も控えめになるのは容易に想像できます。
しかし、次なる展開は近々のようで。
新しいマーブルマシンのビブラフォンテストの模様を映した動画です。
ウィンターガタンのホームページによると「Marble machine X」の完成と共に、ダブルアルバムのリリース、ワールドツアーへの準備がされ始めているとのこと。吉報を待つばかりです。
他に類を見ないフォークトロニカ・バンドとして孤高の存在となったウィンターガタン。
マーブルマシンの視覚的なインパクトもありますが、そのサウンドには叙情的で非凡な音楽センスが根底にあり、万人の心に響くのではないでしょうか?ビブラフォンの音色と共に。
最後にバンドとしての圧倒的な「Marble machine 」を。